HIDはシールドビームを駆逐する

シールドビームとは自動車や鉄道に通じていなければ聞き慣れないものだが、自動車や鉄道の前照灯(ヘッドライト)や尾灯に使われている白熱電球の一種である。シールドビーム誕生前は通常の白熱電球が使われていたが、在来の鉄道車両でもシールド化が進んだ。そして21世紀にはHIDがシールドビームを駆逐しようとしている。HIDが前照灯に、LEDが尾灯などに使われ始めたのだ。
LEDの技術ですが、いろいろな使い道があると思っています。現在では蛍光灯ではなくLEDを使用するようになってきている所が非常に多くなっていると思います。使用電力が少なく済み非常に明るくてコンパクトで奇麗というどこをとっても素晴らしい技術だと思います。最近の懐中電灯や自転車の電気にしてもLEDが使われています。そして、水槽の照明としても使われているようです。
【マニアック街道】

 週末が近づくとワクワク、帰宅中の電車内では「山と高原地図(48)六甲・摩耶」(昭文社刊)と「六甲全山縦走マップ」(神戸市発行)をついつい眺めてしまう。これって病気? 六甲全山縦走路のうち、宝塚〜六甲最高峰の逆走を完遂した私、へたれ中年ハイカーは、六甲全山縦走チャレンジ(全体計画)を決意した。第3弾となる今回のハイライトは、切り立った岩場の尾根がある「須磨アルプス」。タイトルは映画のセオリーに習って「新・六甲彷徨(ほうこう)記」とした。さらなる続編の有無については、ウェブ担当のT・長髪デスクにお任せしたい。(中村宏二)

[フォト]天に向かって伸びるかのような「400階段」

 ■6月19日(土)雨上がりの須磨

 威勢よく決意した六甲全山縦走チャレンジ。ただし、全ルートを5分の1程度に分けての分割作戦(実施計画)である。これは全山縦走を目指す人には下見として奨励されていることであり、決してへたれなためではないことをおことわりしておきたい。

 当日は、「近畿の駅百選」にも選ばれている山陽電車の須磨浦公園駅に到着。駅前が縦走大会のスタート地点だ。北側を見上げれば、これから始まる全山縦走5分割作戦の第1の攻略地点、鉢伏山である。

 前日は梅雨真っ最中の雨。しかし、「登りなさい」との天の声であろうか、この日は曇天で推移。スタートは正午すぎで、この時間ではどこまでいけるか不明だが、第一目標に神戸電鉄の鵯越駅を設定する。なぜか。電車に乗って楽々神戸市中心部に帰投できるからである。そこまでたどり着けず途中でギブアップの場合は、早めの決断で鵯越駅までの間の最後の山を断念し、神戸市営地下鉄妙法寺駅からエスケープする計画だ。従前のへたれ具合なら後者の可能性が大だったが、妙に自信がある。なんか格好いい。

 ■登り始めはお決まりの汗だく

 須磨浦公園駅から鵯越駅までの走破距離は縦走マップによると16・2キロ。その間、鉢伏山▽旗振山▽鉄拐山▽栂尾山▽横尾山▽東山▽高取山の7山を経る。考えただけで気が遠くなるが、まずは一つ目、鉢伏山を登らないと始まらない。

 がしかし、いきなり縦走路からはずれ、てくてくとまずは国道2号沿いにある「敦盛塚」に立ち寄り、道中の安全を祈願。色鮮やかなアジサイを眺めながら須磨浦公園内を登っていく。

 これまでもそうだったが、ハイキング開始直後の私の発汗量は尋常ではない(平成23年6月現在)。この時期、やはり蒸し暑いのなんの。鉢伏山頂まで、やはり首にしたタオルは汗を吸ってすでにびっしょりである。

 「なんでこんな遅い時間から登るねん」と、自分のことは置いといて、後から迫ってきた完璧な山ボーイ、山ガールファッションのカップルに対しつぶやく。こんな爽やかな2人に、果てしなく汗が吹き出す私のへたれ具合を見られたくない。というわけで、がんばって先行したことからさらに発汗量が増してしまった。

 結局、携帯電話が鳴ったため立ち止まって話をしている途中にカップルに追い越され、汗だくの姿をチェックされてしまったので、先行の甲斐なし。なんか情けない。

 さて、ぼちぼちと登り、須磨浦山上遊園を経て、次は第2攻略地点の旗振山へ向かう。2山目の「攻略地点」ではあるが、鉢伏山からはあっという間に到着する。ここは「行楽地点」に変更しておこう。

 旗振山の名は、電信が発達していない時代、大阪・堂島の米市場の相場を大きな旗を振って山々を中継伝達した場所であったことから命名されたという。詳細は旗振茶屋によるものであろう説明板の写真をごらんいただきたい。

 ■味わってみたかった名物メニュー

 次は第3の山、鉄拐山に向かう。ここまでの3山は標高がそれぞれ246メートル、252・6メートル、234メートルなので最初の鉢伏山を登り切ればあとはほとんど高低差のない道が続く。一応、鉄拐山の山頂を極めておくが、周囲は木立で展望はない。

 鉄拐山頂で「復興基準点●(=No.)FK322」を撮影、さらに歩を進める。ここからも緩やかな平坦(へいたん)な道が続く。前日の雨でぬれた落ち葉も多いが、滑る恐れも少ない。ずっとこんな道が続けば楽だろうが、そうは問屋が卸さないのがこれからの道のりで、厳しい先行きを覚悟する。ただし、その前に一つ楽しみを味わってから。ネットで、ある食事の情報を仕入れており、まもなくそれを堪能できる場所につくはずだ。

 目指すは「おらが茶屋」。ここには、ハイカーや地元の市民のみなさんに人気のある「独特カレー」という名物メニューがあるという。楽しみにしておらが茶屋に乗り込み、「独特カレーをくださぁい」と注文したのだが、なんと売り切れであった。あちゃー。

 先着のお客さんを接待していた店のお母さん。思えば、私が入店したのを見て、なんとなく落ち着きのない様子だった。「独特カレーやろか。もうできないねんけどなぁ」などと思案していただいていたのだろうか。非常に申し訳なさそうに謝るお母さんにかえってこちらも申し訳なく、お店を出た次第。ほかのものを注文するでもない私に「せめてお水飲んでいって」と言ってくれたお母さん、ほんまごめんなさいね。冷たい水がおいしかったです。ごちそうさま。また来ます。

 ■以外と楽?第一の難関

 おらが茶屋を出ると、すぐさま眼下の住宅地(高倉台)まで一気に下るコンクリート階段がお目見えする。せっかく登った山を下り、また登るの繰り返しはこの日のコースの特徴である。その後はお約束の登り。難関の一つ「400階段」にやってきた。次の山、栂尾山への登りはこの400階段がメーンだ。一直線の階段を見上げるとなるほど天を突くといった感じだが、ここは思ったよりも楽だった。その理由はといえば、段数を数えながらリズムよく登ったためだろう。400階段が正確な段数なのか、それとも概数なのか。それを確かめたかった。縦走路部分から登るコンクリート製の階段部はたぶん350段。ただし、それから先の木製階段(プラスチック製かもしれない)部分も含めるのかどうか。結局私の結論は木製階段も含め「約400階段」ということに相成った。

 ■本日のハイライト

 栂尾山、続く横尾山をクリアすると、この日のハイライトエリアに到達する。「須磨アルプス」という壮大な名前の場所である。北も南も、それこそ本場のアルプスも訪れたことはないが、魅惑の名称ではないか。ここには名勝「馬の背」というスリリングな道もある。かなり期待しながら到着!

 しかし…である。馬の背は予想以上の細い細い岩場の尾根。両サイドは滑ったらまず助からないであろう断崖絶壁だ。現場のアップ写真は人が写っていないため、分かりにくいが道幅はたぶん1メートル以下。結局、一気に渡ったが、その間の具体的な記憶がない。宝塚〜最高峰ルートに登場した件の先輩には「這(は)っていったんちゃうか」と聞かれたが、それはなかった。でもあとから思い出すとお尻がムズムズする。

 ■最後の山がこれまたきつい

 須磨アルプスを終え、再び市街地に下り、この日の計画の最後の山である高取山に向かう。この時点で鵯越駅までの走破を決意していた。なんとまあ成長したもんや。市街地ではすれ違った高齢のご夫妻から「えらいなぁ〜がんばってや」と声も掛けていただき気力も湧いてくる。

 高取山山頂までは想像以上に結構な急坂が待ち受けていた。なんとか気力を振り絞り、再び汗だくになりながらも登頂。とりあえずほっとしていると、なんとなく暗くなりかけ。さあ、早く下らなければならない。市街地まで一気にダウン、さらに市街地の丘を登りつつ鵯越駅に着いたのは午後6時52分。所要時間は約6時間半で、全縦完走に照らし合わせると、ほど遠いタイムであったことはいうまでもない。

 ■珍しく下山即アルコールにはならず

 “第1分割”を制覇した充実感に浸りながら電車で三宮まで。ここでの一杯もありだが、風呂にも早く入りたかったので自宅近くまで帰ることにする。JRに乗り換え六甲道駅下車。さらに南下し阪神本線を越えてお邪魔したのはたびたび気安く利用させていただいている「串くし本舗 新在家店」だ。

 お気に入りの理由の第1は生ビールの安さ。生中1杯250円(平成23年6月19日現在)で、よくある「何時まで」という時間限定ではない。ちなみにハイボールも250円(同)。お財布に優しいお店だ。第2の理由は歯応え十分の焼き鳥の「ひね」があること。当然塩焼きで注文する。1本100円なり。大将は私が訪れると「ひねの注文があるな」と常に気にかけてくれている様子である。売り切れだったことが過去に1回あったが、注文する前に「すみません、ひねが切れてまして」と言ってくれたことも。その気配りがうれしいじゃないですか。

 店内にはいつも懐かしい昭和のメロディーが流れており、それも昭和30年代生まれの私にとって居心地のいい理由。ガンガンに最近の曲を流している飲食店も多いが、おっちゃんにはうるさいだけである。きょうも心地よい疲れを感じながら「ありがとう六甲。乾杯!」。で、ビールを飲みながらまたもや地図を広げる私であった。

 【串くし本舗 新在家店】神戸市灘区浜田町3の2の5 (電)078・821・3381 営業時間は午後4時〜午前1時(LO午前0時半)。定休日はないが年末年始は休み。店名の通り串カツ、焼き鳥各種のほか、一品料理も多種。注文が入ると「あいよ〜〜」という元気な声が店内にこだまする。

     ◇

 ■T・長髪デスクより

 今回のへたれ中年ハイカー、いかがでしたか。趣味と実益(飲む方も含め)を兼ねた今シリーズは本人がやる気満々なので、しばらく続けようかと思ってますが、あまりにも不人気(ページビューが伸びない、批判が起きるなど)なら、打ち切りも考えます。


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