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アジアでインフレ懸念が高まっている。インドで数万人が食料品の値上がりに抗議してデモを行い、シンガポールやベトナムではインフレ率が跳ね上がっている。
数百万人が低所得にあえいでいるインドでは、デモは珍しくはない。しかし23日にデリーで労組員など約2万5000人が参加して繰り広げられたデモは、主として食料品の高騰に対する抗議行動だった。インドの過去1年間の食料品の値上がりはすさまじいもので、首相府諮問会議によれば2010年12月の週間上昇率は前年比で18%超に達した。
インド政府は貧困層に対する食料品購入補助を大幅拡充する方針で、食料政策の専門家によれば年間補助は150億~300億ドル(約1兆2300億~2兆4600億円)に上る見込み。しかし、財政タカ派は同国の財政赤字の対GDP(国内総生産)比が現在5.2%に達していることを懸念しており、補助の抑制を求めている。
他のアジア諸国も物価高騰の影響を緩和するため新たな補助金の導入に乗り出している。アナリストらは、補助金は経済を歪め、消費者の支出を促進しかえってインフレを加速してしまう恐れがあると警告している。
香港の曽俊華財政官は23日、住宅用電気料金補助と公共住宅賃貸料支払いの2カ月間免除などの措置を講じると表明した。香港の10年のインフレ率は2.4%だったが、同財政官によれば今年は4.5%に急加速すると見通しという。
シンガポール政府も18日発表した2011年度予算で、物価高騰に対応して減税や現金給付を実施することを明らかにした。シンガポール統計局の発表によると、1月の同国消費者物価上昇率は5.5%と、昨年12月の4.6%から加速し、アナリストの予想を大きく上回った。
同国では、賃金上昇を抑えるため、中国やインドなどから低賃金の外国人労働者を積極的に受け入れてきたが、外国人労働者の流入に対する国民の不満が高まっており、政府は流入の抑制に乗り出している。シティグループ(シンガポール)のエコノミストであるキット・ウェイ・ゼン氏は、「その結果、労働市場はひっ迫し、賃金インフレ圧力は持続しそうだ。インフレ率が1~2%の時代は終わったと思う」と述べる。
アジアでインフレ問題が最も深刻なのはベトナムだ。2月の同国の消費者物価上昇率は前年同月比で12.31%と、1月の12.17%を上回る2年ぶりの高水準となった。アナリストの間では、同国経済は過熱化しているとみられている。その一方で、貿易赤字が巨額に上り、同国通貨ドンの信認は低下している。
アジア開発銀行(ADB)の首席エコノミストであるドングユン・パーク氏は「アジアのマクロ経済動向にとって最大の脅威はインフレであるというのがADBの支配的見方になっている」と指摘、「アジア各国にとってインフレを芽のうちに摘むことに本気で取り組む時が来ている」と警告する。
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【ロックビル(米メリーランド州)】21日のように、原油先物のオーバーナイトのレンジが10%となったのは久しぶりだが、それにしてもアフリカで最大、世界第9位の埋蔵量を持つリビアの情勢は、極めて混とんとしているとしか言いようがない。
アラブ諸国の暴動はその速度と強度を増している模様で、さらなる連鎖の可能性も排除できない。米原油の代表的指標、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は1バレル100ドルを若干下回った水準で取引されているが、今週、これが他の金融市場に混乱をもたらす可能性が高いと信じている。
トレーディングの観点からどうやってこの状況に対処するか、ここにいくつかアイデアがある。
<石油株は石油への積極投資ではない>
多くの投資家が犯す最大のミスは、生産者を通じて商品の取引に関わろうとすることだ。商品と生産者は同じではない。石油に関しては、現在、米国内市場に豊富な原油在庫があるが、スエズ運河閉鎖の可能性とリビア情勢のさらなる緊迫化で供給が中断される可能性がある。リビア軍はデモ隊に発砲していると伝えられており、エジプトとは全く異なる事態の様相を呈している。
さらに、株式市場全体も、いつ調整を迎えても不思議ではなく、石油株は売り圧力にさらされると思われる。商品は株をアウトパフォームする可能性が高い。これで稼ぐ方法とは、原油先物か、USオイル(USO)ファンドというETF(上場投資信託)を使うことだ。
上昇傾向だがかなり不安定な商いになると思われ、短期の積極的な取引が有効だろう。今、原油は、買い持ち相場ではない。取引所に上場されているUSOファンドには流動性の高いオプション取引があり、短期売買にふさわしい。
USOのコールオプション3月限をアット・ザ・マネーで買ってもよいし、上値が限定されるが、下値の心配もないプットのクレジット・スプレッドを検討してもよいだろう。しかし、この取引は積極的に――おそらく、1時間単位で――行われる必要がある。
長期戦略としては、イタリアを拠点とする石油大手ENIが、リビアへのエクスポージャーが高く、21日のミラノ市場で相当下げていた。リビアの原油埋蔵量は巨大で、ENIは大きな足掛かりを築いていることから、情勢が回復したら、そこは押し目買いだ。
新しい、より進歩的な政府が、長期間放置されてきた石油産業に取り組むのは確実だ。しかし、騒乱が長引いた場合、リビアでの操業は停止に追い込まれ、在庫の大幅な減少という事態を招くかもしれない。
いずれの場合でも、押し目は買いだろう。しかし、第2のシナリオとして、押し目がさらに深くなる可能性もある。
<石油高騰は経済にブレーキ>
この一連の騒ぎが起きる前、米景気は明らかに拡大のスピードを速めていた。経済指標では明るい面が示され、2月の雇用統計は力強い内容になり、長期金利の上昇が示唆されるとの期待も大きかった。
しかし、石油が大幅に高騰すれば、経済には短期的なマイナス材料になる。これは、11月以降、圧力にさらされてきた債券の短期売買のチャンスとなるかもしれない。
あとかなりの年数、赤字が続くという私の見通しからすると、米国債を長期投資の対象とするのは困難だ。しかし、iShares Barclays 20+Year Treasury Bond Fundの短期コールオプションならば、意味がある。ここでも、USOのコールやプットのクレジット・スプレッドのように、時間単位の強気な取引姿勢で臨む必要があるだろう。
短期的な見方としては、こうした状況すべてを踏まえると、一部の欧州金融機関とPIIGS諸国の国債が、いかに一段と強い圧力にさらされるかが予想できる。もっとも、リビアの騒乱がなくてもすでに売り時だったが。
(マーチェフ氏は投資情報サイト「InvestorPlace.com」の編集ディレクターを務める)
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